「テフロン」という製品名でも知られるPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)について、樹脂の特徴や物性、医療機器におけるプラスチック成形品などの情報をまとめています。
PTFEはフッ素樹脂の一種です。フッ素樹脂は耐熱性に優れていることに特徴がありますが、そのなかで、優れた耐熱性がある樹脂がPTFEになります。
耐久性については、低摩擦で摩擦の少ない樹脂であることが特徴として挙げられます。低摩擦特性でみると、プラスチックに限らず様々な物質のなかで、PTFEは良質な素材です。
電気的特性が良い点もPTFEの特徴です。プラスチックのなかで電気に耐える力が強く、絶縁材として活用されることも多い樹脂です。なお、放射線には弱い点に注意が必要です。
医療機器プラスチック部品製造会社3選の
PTFEの取り扱いを確認
数多くの薬品に侵されることのない樹脂で、酸・アルカリ・有機溶剤、いずれにも強く優れた耐性を持ちます。
| 耐酸性 | ◎ |
|---|---|
| 耐アルカリ性 | ◎ |
| 有機溶剤 | ◎ |
参照元:株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」(PDF)https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf
機械的特性でみると、可もなく不可もなくという樹脂です。強度を求めるなら、他の樹脂でも応用できるでしょう。
| 比重 | 2.2 |
|---|---|
| 引張強度(kgf/cm2) | 140-350 |
| 破断時伸び(%) | 200-400 |
| 引張弾性率(MPa) | 5 |
| 圧縮強度(MPa) | 120 |
| 曲げ強度(MPa) | 180 |
| 曲げ弾性率(kgf/cm2) | 4-5 |
| 硬度(ロックウェル) | D55 |
参照元:株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」(PDF)https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf
融点は327℃、連続耐熱温度は288℃もあります。荷重たわみ温度は低いです。
| 連続耐熱温度(℃) | 288 |
|---|---|
| 熱膨張率(×0-5) | 5 |
| 荷重たわみ温度(℃) | 74 |
参照元:株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」(PDF)https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf
PTFEをはじめフッ素樹脂は、医療現場で使われるさまざまな機器や用具に使われています。主に、ラインチューブ、カテーテルシャフトインナーチューブ、薬液ボトル、ガイドワイヤーコーティング、処置具シースなどに使われることが多いです。
PTFEは熱の流動性が低い樹脂で、成形加工が非常に難しい素材として知られます。加工を依頼する際には、樹脂の特性を熟知したプラスチック加工メーカーに依頼することはもちろんですが、新素材などの代替品を含め選択肢が広がる提案をしてくれる加工メーカーを選ぶのも一手でしょう。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325