人工呼吸器では、機能性の高いスーパーエンプラが各部分に使われ、ハウジング、バルブ、スイッチ、ガイド、ソケット、シリンダー…など、多様な部分に必要な要件を満たすプラスチックが採用されています。
主な材質は、ポリオキシメチレンやポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフタルアミドなどです。
麻酔器においては、機体流量計にポリプロピレンが使われていたり、麻酔ボックスにポリ塩化ビニルが使われていたりします。
ポリプロピレンやポリ塩化ビニルが使用されています。
ポリプロピレンは、汎用樹脂の中でも耐熱性が高く、また比重が軽いことが特徴。強度も比較的高くて耐薬品性に優れた、バランスのいい樹脂です。
ポリ塩化ビニルは、いわゆる「塩ビ」と呼ばれる素材。同じく耐薬品性に強いことや、電気絶縁性、耐久性に優れていて、安価で着色がしやすいことが特徴として挙げられます。
ポリフタルアミドはポリアラミドよりも吸湿性が大幅に低下し、寸法変化がないため、要求される精度が高い部品に使用されます。また高温に耐え、強度と剛性を持っているところが強み。ただし加工が難しいという点は注意が必要です。
ポリオキシメチレンは、強度や耐摩耗性に優れていて、吸湿性が低いところが特徴。寸法安定性にも優れています。ただし連続使用温度は105℃までとあまり高くはなく、また対候性に欠けます。
ポリエーテルエーテルケトンは、スーパーエンプラの中でも特に耐熱性や耐薬品性に優れた材質です。また機械特性にも優れていて、金属の代わりに使われることもあります。耐薬品性に優れていますが、濃硫酸などの強酸には弱いことに注意が必要です。
ポリエーテルイミドは比較的耐熱性が高く、170℃でも連続使用が可能。また耐候性、耐放射線性に優れていて劣化しにくいのもポイント。成形性がよいので、切削加工にも成形加工にも使われます。
金型に溶けた樹脂を流し込み、冷やして固めることで部品を製造するのが成形加工。金型の製造にコストがかかりますが、大量生産に適した加工方法です。
棒材や形材に刃物を当て、不要な部分を削り落として形を作る加工法。複雑な形状や精度の高い加工に向いていて、大量生産は得意ではありませんが、金型を作るコスト・時間が不要です。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325