医療用プラスチックに求められる性質のひとつに耐放射線性があります。ここでは、耐放射線性とはどのような性質のことを指すのか、耐放射線性に優れた医療用プラスチックにはどのような種類があるのか、その使用例などをまとめました。
放射線は病気を引き起こす可能性がある細菌を殺し、他の有害生物を中和する効果があります。電離放射線による滅菌は、微生物を非常に効率的に不活性化することが可能です。医療製品の滅菌にも使われているため、医療用プラスチックにおいて耐放射性は重要な要素のひとつです。
放射線を受けると、強度や剛性、硬度、脆性といった機械特性は低下します。その程度は被ばく量に比例し、劣化は元に戻りません。部品の形状や被ばく量、応力の有無、温度、酸素濃度など、様々な条件によって耐性が異なることから、それぞれの樹脂についての正確な限界被ばく量は分かりませんが、PEEK、PI、PEI、PPSU、PSU、PESなどの樹脂は、ガンマ線やX線に対して良好な耐性があり、PTFEやPOMは耐性が低いと言われています。
耐放射線性関連の絶縁材料として脚光を浴びているのがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)です。高い耐摩耗性、絶縁性、耐薬品性もあり、医療用機器にも採用されています。高強度で高寿命な部品を作ることが可能です。また、アウトガスや溶出物が出にくいため、分析装置にも使用されています。高温加圧蒸気殺菌を行う環境においても不活性です。加工と設計の自由度が大きいことも特徴となります。
ガスクロマトグラフィー(GC)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)などの高性能分析機器において部品として使用されています。加圧滅菌器で頻繁に高温高圧のスチーム殺菌を繰り返すという環境においても、耐高温水、耐スチーム、耐溶剤、耐化学薬品性を示し、高い機械的強度、応力亀裂抵抗、耐加水分解性を保持することが可能です。
耐放射性の他、耐衝撃性、耐薬品性、耐加水分解性があり、高い透明性に特徴がある素材です。特に高温蒸気滅菌処理(オートクレーブ)に対する卓越した耐性を備えた医療用プラスチックとして、医療用製品に活用されています。苛酷な使用環境でも、長期にわたって使用することが可能です。優れた耐衝撃性から、手術中に頻繁に起こりえる衝撃や応力に耐えることができ、手術用の器具にも採用されています。
関節再建、外傷、脊椎をはじめとする様々な医療分野で採用されています。特に手術において必要な特徴を備えているため、手術用器具、器具把手、膝関節・股関節・肩関節置換手術の大腿骨・脛骨などのインプラントトライアルに採用されています。また、滅菌トレーや容器などにも使われています。
放射線による滅菌などの機会が多い医療用プラスチックにおいて、耐放射線性は重要な要素のひとつです。耐放射線性に優れた素材には、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)やポリフェニルサルフォン(PPSU)があります。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325