製剤機器は、さまざまな溶媒や温度に対応できる素材を使う必要があります。とりわけOリングやガスケット、ダイヤフラムといったシール部分についてはどんな溶媒や温度でも対応できるようにしなくては、すぐに不具合が出てしまう可能性があります。
溶媒ごと、あるいは使用温度ごとに設計・製造をするのでは、膨大なコストがかかってしまうことは言うまでもありません。
これらの部品は、一般的にはゴムで作られます。プラスチックとは異なるものではありますが、被膜としてフッ素、テフロンを使うことがあります。プラスチック部品とは違うところに分類されるものではありますが、ここで取り上げてみたいと思います。
汎用プラスチックでつくられる部品で、製材用生産機械に用いられるものは見つけることができませんでした。
ダイヤフラムの製造には、エンプラが使われることがあります。例えば、デュポン社が開発したポリエステルエラストマーである「ハイトレル」が挙げられます。
シール部分はゴムでつくることが一般的ですが、テフロンやフッ素を使ってコーティングすることがあります。
たとえばガスケット部分は、エチレンプロピレンゴムを使ってつくるだけでも耐アルカリ性・耐酸性をもち、130℃のスチームに耐えることもできます。しかしここにテフロン被覆を加えることで、耐薬品性にも優れます。すべての洗浄液への耐薬品性を持たせることができるのです。
またダイヤフラムにはサントプレーンが使われることがあります。これは汎用プラスチックにはないゴム弾性があり、成形加工性にも優れた材質です。
いわゆる射出成形と呼ばれるもので、200℃前後まで加熱してやわらかくなった樹脂を金型に流し込み、冷やして固めることで形を作る方法です。
一度金型を設計・製造してしまえば大量生産がしやすいというメリットがあります。ただし金型を作るのにコストがかかるため、少量生産には向きません。
対して切削加工は材料を削って加工する方法。材料を旋盤に乗せて回転させて刃物を当てて削ったり、刃物を回転させて材料を当てることで加工するフライスなどの方法があります。
人の手で加工する切削加工は細かい作業が可能ですが、大量生産ができないというデメリットがあります。金型が不要なので、スピーディな対応ができるという点は強みです。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325