隙間を埋める際や緩衝として用いる機構部品「ブッシュ」。医療機器にも、さまざまなブッシュが活用されています。
ここでは、樹脂素材のブッシュについて加工法を中心に解説します。
ブッシュは、すべり軸受やシャフトと軸受の間を埋めるために用いられる部品で、ドリルやリーマをはじめ、医療機器にも活用されています。
素材は金属製と樹脂製が主流ですが、近年はプラスチックのブッシュへの置き換えが進んでいるようです。樹脂製は耐久性に難がありますが、近年はスーパーエンプラに代表される衝撃に強く耐摩耗性に優れた素材が登場しています。
金属ブッシュと比べて軽量であること、自己潤滑性がある樹脂を選ぶことで潤滑剤を使用しなくても良いことなども、樹脂製ブッシュが選ばれる理由になっています。
樹脂製ブッシュは、射出成形または切削により加工されるのが一般的です。
射出成形であれば、複雑な形状の成形品でも対応でき、金型に樹脂を流し込んで製造するため大量生産にも向いています。成形品の仕上がりも美しく、仕上げ加工が少なくてすむこともメリットのひとつ。なお、金型製作の手間やコストといった前準備が必要です。
切削の場合は、旋盤、フライス、穴あけなどの加工でプラスチックを削りながら製造します。比較的に大きな部品にも対応でき、精度や表面の粗さなども自由に調整できる点がメリットです。また、金型を作らないので納期やコストの点でも利点があります。
これらの加工法から最善の方法を選び、高品質のブッシュを製造するには、プラスチック加工メーカーの選定が重要なポイントになってきます。さまざまな加工法に対応していることはもちろん、品質にもこだわりのある加工メーカーを選ぶことが大切です。
ブッシュの素材は、機械的特性や耐薬性、耐熱性などに優れた樹脂を選ぶことが重要になってきます。相手材を摩耗させないこともポイントです。用途や環境によってはスーパーエンプラの使用が適していますが、原料費が高くなりやすいので素材選定も検討したいところでしょう。
また、加工時には嵌合性の高さも検討したいポイントです。嵌合不良の原因は、成形時に生じる反りやうねりなどもありますから、確かな品質を有すプラスチック加工メーカーを選定することが大切です。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325