PESU(ポリエーテルスルホン)は、PESと表記されることもあります。PESUの特徴について、物性や医療機器部品の成形品例などから紹介します。
連続耐熱温度は180℃で、温度差の激しい環境でも剛性を保つなど機械的特性を発揮します。加水分解もしないので、高温スチームでの使用も可能です。
熱膨張率が小さく幅広い温度帯で寸法安定性が良いことも、特徴のひとつです。ただし、吸水性がある素材なので、加工時には乾燥させる必要があります。
医療機器プラスチック部品製造会社3選の
PESUの取り扱いを確認
高温でも酸やアルカリへの耐性があります。アルコール、グリース類などにも適用しますが、アセトンやクロロホルムといった溶剤には侵されるので注意が必要です。
| 耐酸性 | ○ |
|---|---|
| 耐アルカリ性 | ○ |
| 有機溶剤 | △ |
参照元:株式会社KDA「PESU(ポリエーテルスルホン)樹脂物性表1」https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pesu2.htm
高温時でも剛性を保つ点が、PESUの特徴のひとつです。なお、紫外線に長時間あたると変色する場合があります。
| 比重 | 1.37-1.46 |
|---|---|
| 引張強度(kgf/cm2) | 68-95 |
| 破断時伸び(%) | 6.0-80.0 |
| 引張弾性率(MPa) | 2400 |
| 圧縮強度(MPa) | 81-108 |
| 曲げ強度(MPa) | 118-128 |
| 曲げ弾性率(kgf/cm2) | - |
| 硬度(ロックウェル) | M88 |
参照元:株式会社KDA「PESU(ポリエーテルスルホン)樹脂物性表1」https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pesu2.htm
連続耐熱温度は、ガラスファイバー入りのPESUです。荷重たわみ温度も、比較的に高い樹脂でもあります。
| 連続耐熱温度(℃) | 180 |
|---|---|
| 熱膨張率(×0-5) | 5.5 |
| 荷重たわみ温度(℃) | 201-203 |
参照元:株式会社KDA「PESU(ポリエーテルスルホン)樹脂物性表1」https://www.kda1969.com/materials/pla_mate_pesu2.htm
高温環境に強いことから、煮沸消毒やスチーム減菌を繰り返す医療用具に適した樹脂です。注射器シリンジ、歯科ドリル、コンタクトレンズ用殺菌容器なども、PESUが活用されます。このほか、メガネフレームや防毒マスクのフレームに利用されるケースもあるようです。
PESUは、熱の流動性が良く成形しやすい樹脂のため、さまざまなプラスチック加工品がつくれます。ただし、プラスチックは常に新しい製品が開発されていますから、ニーズによってはPESUよりも適した素材があるかもしれません。気になる方は、多くの樹脂を扱い信頼できる加工メーカーに相談してみるのも一手でしょう。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325