PEEKからできる医療機器部品

優れた機械的特性から、産業界で注目を集めるPEEK（ポリエーテルエーテルケトン）。PEEKの特徴や物性、医療機器部品の成形品例など、まとめて紹介します。

PEEKの特徴

熱水・スチームに強い

熱水はもちろん、高温の蒸気でも加水分解を起こさず、耐熱性に優れた樹脂です。連続耐熱温度は250℃前後ですが、短時間であれば300℃のスチームでも対応可能。耐熱水性の点では、プラスチックのなかで良質な素材です。

衝撃や摩耗、疲労にも強い

機械的特性も高く、衝撃、摩耗、疲労、引張などの点で優れた耐久性を発揮します。特に繊維強化グレードのPEEKは、強靭性のある他のプラスチックと同等またはそれ以上の強度があります。

様々な薬品にも対応可能

高温時でも酸・アルカリ・有機溶媒に強く、耐薬性も申し分ありません。また耐放射線性もあり、放射線による劣化もしにくい樹脂でもあります。

医療機器プラスチック部品製造会社3選の
PEEKの取り扱いを確認

PEEKの物性表

耐薬性

濃硫酸など一部を除き、様々な薬品に対して耐性を持つ樹脂です。

参照元：株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」（PDF）https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf

耐久性

耐衝撃性はPESUと同等、摩耗に対する強度はPAと同等など、他のエンプラ・スーパーエンプラが有する利点も兼ね備えています。

参照元：株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」（PDF）https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf

耐熱性

融点は334℃。熱可塑性樹脂のなかでは、トップクラスです。荷重たわみ温度は、炭素繊維強化グレードだと300℃を超えます。

参照元：株式会社ハンシン「樹脂素材物性表」（PDF）https://www.kk-hanshin.co.jp/contents/pdf/jushi.pdf

PEEKから成形できる医療機器の部品

PEEKは価格の高い樹脂ですが、先端産業を支える重要な素材として多くの業界で活用されています。医療機器においても、カテーテルシャフトや血液分析に使われる試薬ラインチューブなど、さまざまな部品に使われている樹脂です。

PEEKを使った成形品を依頼するなら

PEEKは熱の流動性が低い樹脂のため、押し出し成形には適していますが射出成形には向かない素材です。新たな素材を使って成形品をつくるには、樹脂ごとの特徴をしっかり把握している信頼性の高いプラスチック加工メーカーに依頼することがポイントになります。