X線透視撮影装置は、いわゆる非破壊検査を行うための装置。医療ではもちろん、食品や電子部品、建築、航空業界など、様々な分野での測定や検査に使われています。X線検査装置のうち、医療分野で使われるのはX線透過装置です。
その筐体は金属やガラスで製造されています。というのも、X線検査は放射線を取り扱うのでプラスチックで筐体が作られることはありません。X線透視撮影装置の中でプラスチック部品が使われている部分については、資料や記述を見つけることはできませんでした。
成形加工は、いわゆる射出成形と呼ばれるもので、200℃前後まで熱してやわらかくなったプラスチック樹脂を金型に押し込む加工方法です。冷えるとプラスチック樹脂が固まり、部品の形ができあがります。
効率よく生産ができるので、大量生産に向いている方法です。金型の中に樹脂を押し込む際には、押し込む側、そしてそれを受ける金型側とも大きな圧力がかかるため大がかりな装置が必要になることがデメリット。
また金型を設計・製造しなくてはならず、コストが大きいこと、製造開始まで時間がかかることにも注意が必要です。
切削加工は、棒材や形材に刃物を当てることで不要な部分を削ったり切ったりして加工する方法です。成形加工と比べても、複雑で精度の高い加工ができることが最大のメリッ。金属材料に使われるものと思われがちですが、プラスチックや木材でも使われる手法です。
加工には、旋盤で材料を回転させ、そこに刃物を当てることで削っていく方法、フライスで刃物を回転させてそこに材料を当てていく方法、往復運動する刃物に材料を当てる形削り版、ドリルでの穴あけ加工などを行うボール盤などの加工方法があります。
大量生産に向かない切削加工ですが、旋盤やフライスはそれぞれNC旋盤、マシニングセンターといった自動的に加工をしてくれる機械があり、これらを使うことで効率のよい加工をすることも可能です。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325