血液分析装置の中で、どんなところにプラスチックが使われているのか、またどんな樹脂が原料として採用されているのか、情報をまとめてご紹介していきます。
血液分析装置で使われるプラスチック部品としては、カテーテル、コンパクトマニホールド、水位検知用電極保持機などが挙げられます。
コンパクトマニホールドにはプラスチック部品が使われています。複雑な形状が求められることもあり、技術力が問われる部分です。
流路内面の凹凸を減らし、かつ漏れの不安がない信頼性の高い部品を製造してくれるメーカーを探す必要があります。
水位検知用電極保持機は、金属部品を組み合わせて成形するインサート・アウトサート成形を採用することがあります。フッ素などで製造することで、絶縁性や耐熱性、対薬品性、シール性に優れた製品を作ることができます。
血液分析装置は、どんな樹脂を使って作られるのでしょうか。
コンパクトマニホールドにおいては、ポリプロピレンが使われることがあります。耐熱性はあまり高くありませんが、絶縁体としても使われおり、軽量でプラスチックの中でも比重の小ささはチップクラスとされます。
また繰り返しの折り曲げに強く、負荷のかかる部分にも使用されます。
ポリブチレンテレフタレートが使われることがあります。これは、電気特性や対薬品性、耐熱性に優れた樹脂として自動車の軽量素材にも使われるもの。ポリアミドと同様に注目される材質です。
加工性にも優れた熱可塑性結晶製のエンプラです。ガラス繊維を混ぜることで、強靭かつ摩耗特性に優れたプラスチックとなります。
ポリフェニレンサルファイドやフッ素が使われます。
ポリフェニレンサルファイドは、ガラス繊維を30〜40%ほど混ぜて強化樹脂として広く使われています。
耐熱性、難燃性、寸法安定性、対薬品製に優れています。常用耐熱温度は220〜240℃、また耐寒性は-20℃までと優れています。成形性が高く、コネクトや各種電子部品にも使用されます。
フッ素は耐熱性、耐寒性、耐薬品性、難燃性、耐候性、摩擦・摩耗特性、電気特性などに優れる材質。滑りやすいことから、チューブ部分などにも使われます。
金型に樹脂を流し込んで固めることで部品を作ります。
精度の高いものを効率よく生産できるため、大量生産に向いています。大型の装置が必要になるため、ある程度大きいロットで設計・製造する必要があります。
対して切削加工は、棒材や形材などを刃物で削っていくことで形を作っていくというもの。旋盤やフライス、形削り、ボール盤などの切削方法があり成形加工よりも高い工作精度が得られます。
職人芸のイメージがあるかもしれませんが、プログラミングを利用して全自動で行うことも可能です。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325