超音波診断装置は、プローブと呼ばれる部分から発せられた超音波が物質内を通り、反射・屈折をしてプローブに戻ってきたときの強弱を読み取って、物質の断層を映像化するという仕組みになっています。
この超音波診断装置の筐体のカバーにABSのようなプラスチック部品が使用されています。
プローブ部分もそれに適した樹脂を選ぶ必要がありますが、ここではカバーの部分で使われているABSについて解説していきます。
超音波診断装置の筐体カバーには、ABSと呼ばれる樹脂を使うことがあります。これはアクリロトリル、ブタジエン、スチレンという3つの成分を組み合わせて作ったもので、頭文字を取ってABSと呼ばれます。
ABSの用途は非常に広く、自動車や家電製品から住宅用建材、家庭用品も含まれます。 汎用プラスチックの中では比較的強度が高いほか、光沢があるので外観部分に使われることがあります。また加工性がよいため、溶接や切削加工がされるほか、メッキ塗装をすることも。
これに近い樹脂として、ブタジエンをアクリルゴムに変えたASA、ブタジエンを塩化ポリエチレンに変えたACSという樹脂もあり、それぞれ特性が違います。
超音波診断装置で使われているエンプラについては、情報が見つかりませんでした。
超音波診断装置で使われているスーパーエンプラについては、情報が見つかりませんでした。
金型に高温でやわらかくなった樹脂を流し込み、冷やして固めて成形する加工方法です。精度の高い加工ができるほか、金型ができてしまえば大量生産がしやすいというメリットがあります。
大がかりな装置が必要で初期コストがかかることには注意が必要です。
材料を刃物で削り、設計した加工に仕上げる加工方法です。複雑な形状や精度の高い形状の部品も作れることがメリット。
成形加工に比べると大量生産に向かない方法ですが、金型の設計が不要なのでスピーディに生産を始めることができます。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325