薬品やフィルムの滑りやすさやひっかかり、つまり摩擦係数を測定する治具において、計測用の治具が存在します。
摩擦係数を計測する治具は、嚥下食、とろみ食の粘性の評価にも使われることがあります。今後より進んでいくとされる高齢化社会において、嚥下食やとろみ食の開発はさらに進んでいくことでしょう。
摩擦係数を計測する治具に使われている部品については、その材質までは公開されている製品が見当たりませんでした。
ちなみに、摩擦係数を計測されるプラスチックフィルムでは、主にポリプロピレンやポリエチレンが主な材料として使われます。加えて、高機能プラスチックフィルムとしてエンプラやスーパーエンプラが使われることもあります。
エンプラフィルムやスーパーエンプラフィルムは、スマートフォンやタブレット端末でも使用されています。
プラスチックフィルムであれば、ポリプロピレンやポリエチレンが汎用プラスチックの中では多く使用されます。
ポリプロピレンは、汎用プラスチックの中ではもっとも耐熱性に優れ、比重が軽いのが特徴。水にも浮かびます。また比較的強度が高く、耐薬品性にも優れています。
ポリエチレンもポリプロピレン同様非常によく使われる汎用プラスチックのひとつ。耐薬品性や電気絶縁性、防水性が高く、こちらも比重が軽くて水に浮きます。バケツやタンクに使われることも。
摩擦係数を計測する治具の部品やプラスチックフィルムの原料で、エンプラを使っているケースは見つかりませんでした。
ポリエーテルエーテルケトンやポリイミドを使ったフィルムが製造されています。
ポリエーテルエーテルケトンは、融点が334℃と非常に高く、高温の環境下で使うことができます。スチームに長い時間さらされたり、熱湯に浸けても問題なく耐加水分解に優れています。
また機械的強度、引張特性、耐薬品性の面でも優れています。
ポリイミドは、フィルムとしては電子回路の絶縁機材として使われることがほとんどです。こちらは500℃までという高い耐熱性を誇り、強度、寸法安定性があります。低摩擦係数、耐摩耗性も特徴。
製造したい部品の金型を作り、そこにプラスチックの原料となる樹脂を流し込んで冷やし、固めて製造する方法です。
金型の製造にコストがかかりますが、大量生産をする上では効率がいいとされています。
棒材や形材を刃物で削り、不要な部分を落として形を作る方法です。旋盤、フライス、ボール盤などを使って削っていきます。精度の高い加工ができることがメリットとして挙げられます。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325