ニップル

医療機器に限らず、機械部品を結合するさまざまな場所で使われる「ニップル（継手）」は、樹脂製と金属製のものが主流です。

ここでは、医療機器に使われるプラスチック樹脂のニップルについて解説します。

樹脂製の医療機器の部品「ニップル」

樹脂製ニップルには、点滴などのチューブを接続するものや、液体輸送のコネクタやジョイントとして活用するものなど、医療現場でも多くの種類が存在します。

形状も多様で、チューブやコードをつなぎ留めるだけのシンプルなニップルもあれば、液体を途中で分岐させるタイプのもの、漏れや混入を防ぐためにセンサーが設置されたものなど、用途や使用環境にあわせて多様なニップルが作られています。

樹脂製ニップルの製造法

プラスチック製のニップルの製造は、主に射出成形や切削でつくられます。

射出成形とは、樹脂（プラスチック）を溶かした状態で、つくりたい形状の金型に流し込み、冷やして成形する加工法です。複雑な形状のニップルにも対応できますし、量産も容易です。

一方、切削はバイトなどの専用工具で樹脂を削りながら成形していく方法です。精度や表面の粗さなどの調整が自由にでき、金型も不要ですから初期投資を抑えて加工できます。ただし、成形メーカーの技術によってはバリなどが生じることがあります。

医療機器で利用されるプラスチック部品は、年々複雑な形状・仕様になってきています。メーカーによっては、射出成形または切削に特化しているところもありますし、両方に対応できるとこもあります。プラスチック加工メーカーを選定する際には、加工法についても確認しましょう。

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医療用のニップルで注意したいポイント

射出成形の場合、アンダーラインの精度が注意したいポイントのひとつです。精度がよくないと、液漏れが生じるおそれがあります。

また、金型の抜きテーパ（抜き勾配）の角度も考慮したうえで金型をつくる必要があります。抜きテーパの角度が甘いと、成形物を型から外す際に型と成形物が擦れ、成形物の精度が落ちることも。また、チューブとニップルをつなぐことはできても外すことができないという原因にもなるため、技術力の高い成形メーカーに依頼することが重要になってきます。