こちらの記事では、医療用のプラスチック部材の加工を行うにあたって、切削加工が採用された事例についてご紹介しています。
どのようなケースで切削加工が選択されているのかを見ていくことにしましょう。
樹脂・プラスチック材料の中には、加熱した場合に内部から有害なアウトガスを発生させることによって金型を腐食させてしまうものもあります。このような材質の場合には、射出成形を行えません。
その反面、切削加工の場合には加熱によるアウトガスの発生がなく、問題なく加工を行うことが可能となります。このように加工に使用する材料によっては、射出成形では対応ができないため、材料の変更または切削加工による対応が必要になる場合があります。
試作の製作にあたって、さまざまな樹脂を使った試作を行いたいという要望がある場合にも、射出成形では難しいケースがあります。これは、樹脂やプラスチックはそれぞれ収縮率が異なるために、複数の樹脂やプラスチックを材料として使用したい場合には同じ金型を使用することができないためです。
このような場合、射出生計では柔軟な対応が難しいといえますが、金型を使用しない切削加工の場合には、柔軟な対応が可能。試作も1個から対応できます。
医療業界においては、さまざまな部材においてプラスチック切削加工が用いられています。例えば、下記のような部材における事例もありますので、参考にしてみてください。
医療機器用樹脂部品(ジョイント)
医療機器用樹脂部品(二条ネジ)
医療、液体分析に使用するPTFE(テフロン)角槽
医療機器用樹脂部品(三方ジョイント)
こちらの記事では、射出成形では対応できないケースについてご紹介しました。例えば樹脂やプラスチックの中には金型による成形加工が難しいものがありますが、切削加工であれば対応が可能となります。また、このように、状況に適した加工方法を選択し、利用するといった点が重要であるといえるでしょう。
医療機器用のプラスチック部品製造に対応している製造会社から、製品開発でよくあるニーズ「品質」「スピード」「量産体制」でそれぞれおすすめの製造会社をピックアップ。対応できる樹脂が多かった順(※1)に並べて紹介します。
【選定基準】
Googleにて「医療機器 プラスチック部品」と検索した際の上位20社中、対応樹脂が明記されていた下記の3社を選定。(2021.11.11時点)
・若林精機工業:調査した20社の中で、製品の品質を称える賞の受賞歴があり、 2大品質表示ISO9001、14001を唯一どちらも取得している企業
・ミヤザキ:調査した中では短納期NO1
・南デザイン:調査した中では唯一ロット数が明確で多かった
(※1)樹脂数は樹脂名が記載されている数を採用しています
(※2)参照元:大阪府HPhttps://www.pref.osaka.lg.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=42325